ロゴアイデアの発想訓練|0からロゴのアイデアを考える

ロゴアイデアを考えるロゴ作り方の手引き

「ロゴのデザインをしたいけどアイデアが浮かばない」「クライアントからロゴの依頼を受けたけどどのようにアイデアを発想すればわからない」・・そんな方のためにアイデアの発想方法を書いています。

この記事はロゴデザイナー歴20年(2022年現在)の現役ロゴデザイナーが今までの経験をもとに書いています。【プロフィールはこちら】

ロゴのアイデアの発想方法はいろいろあります。アイデアはを生み出す方法も人によって様々ですが、アイデアに詰まったとき、発想が広がらない時など どのように考えればいいかと悩む場合もあると思います。

そこで今回は何をヒントにロゴのアイデア(デザイン)の発想をしていくのかということを記事にしています。特にロゴ制作の初心者の方やこれからロゴを作ってみようと考えている方の参考になればと思いますので是非最後までお読みください。

ロゴアイデアのいろいろな発想法

ここで紹介する、ロゴのアイデアの発想方法は実際にロゴデザイナーの私本人が行っている発想方法になります。

クライアントから全てお任せされた場合の「ロゴアイデア考え方」

ロゴのデザインの依頼で意外と多いのが「デザイナーの方に全てお任せします」です。


これだけではクライアントの方が実際にどのようなロゴのデザインを望んでいるかが全くわかりません。この状況でアイデアを発想するというのも少し無理があります。

こういう場合は、クライアントがデザイナーに何を伝えれば良いのか思いつかないというケースが多いと思います。

このような場合は「デザイナー側からいくつか質問を投げかける」のが良いでしょう。

クライアントに投げる質問の種類

●ロゴを使用する業種
これは必ず聞いてください。ロゴと業種のイメージはなるべくリンクしていた方が良いです。

●ロゴをどのようなツールに使用するか
ツールの内容によってはロゴのデザインにグラデーションの表現を使用しない方がいい場合や細かいデザインをしない方がいいケースがあります。使用するツールを知ることによってどのようなデザインにするべきかが絞り込めます。

●ロゴに組み合わせる名称の由来
社名の由来を伺うことでそこにキーワードが潜んでいる場合があります。

●どのようなロゴを作りたいか・・これの回答が「お任せします」です。
これはチェック形式にしてクライアントに選んでもらうのがいいと思います。チェック形式にしないと「デザイナーの方に全てお任せします」という回答になることが多いです。
チェックの例としては:□シンプルなデザイン □可愛らしいイメージ □やさしいイメージ・・などクライアントが答えやすい内容にします。
シンプルにチェックが入っていれば、シンプルなデザインの方向でロゴを考えることができるというわけです。

●どんな方がターゲットなのか?
ターゲットを聞くこともできれば情報として知っておいた方がいいと思います。対企業向けなのか対個人向けなのかでもデザインの方向性は変わってきます。

クライアントから何も引き出せなければロゴのアイデアを考えつくことはできません。

クライアントから情報を引き出す事がロゴのアイデアにつながります。

情報が揃ったら次にすることはロゴのデザインをするためのモチーフ決めになります。

ロゴのモチーフを考えていく

ロゴのモチーフを探す

クライアントから、既にモチーフを指定されている場合はそれに沿ったデザインを進めていきますが、ロゴのイメージだけを伝えられる場合などはモチーフがありません。

例えば「優しくてあたたかみのあるデザインのロゴにして欲しい」「先進的なイメージのロゴを希望します」などです。
こういう場合はモチーフはまだ見つかっていません。


ロゴのデザインをする場合は何かしらモチーフを想定してデザインする方がいいと思います。

ロゴのモチーフはどうやって見つけるのか?

私の場合は、クライアントからいただいた情報を解析してロゴのデザインベースとなるモチーフを導き出します。

先ほどもお話ししたように「デザイナーに全てお任せします」では情報が足りないので質問を投げかけるわけですが、その回答の中にヒントが潜んでいます。

モチーフは最初に幾つも書き出していきます。そしてその中から絞り込んでいきます。

【モチーフの探し方見本】例えばこのようにロゴのモチーフを導き出します。

クライアント:多摩フラワーガーデン(仮名です)
社名の由来 :地域名と業種を組み合わせました
業    種:花屋
使用ツール :シール(ロゴを使用する最小のツール)
希望イメージ:シンプル・可愛い・楽しい
ターゲット :女性、主にファミリー層

このようなクライアントの情報からロゴのモチーフを導き出していきます。

この場合はわかりやすいので、業種のイメージから花のモチーフを検討していきます。

花のモチーフも「女性に人気のある花」や「ロゴにデザインしやすい花」などを調べていくつか候補を挙げていきます。シンプルなイメージということであれば特定の花を指定せずに花のように見える形でもいいかもしれません。名称に多摩とつくのでお店のある多摩市の「市の花」を調べてみてもいいと思います。

希望イメージの可愛い、楽しいというキーワードから可愛らしい形や楽しい形を表すモチーフなども挙げていきます。ガーデンという名前がついているので、花の植え替えなどに使用するガーデニング用品などもモチーフとして検討します。

このようにロゴのモチーフをいろいろ出して、モチーフとモチーフを組み合わせたりしていきます。その際に、シールに使うということ、シンプルなイメージが希望ということを踏まえながらロゴのモチーフを絞っていきます。最終的にモチーフが絞れたら次はデザインの検討に移ります。

ロゴのデザインを考えるデザイナー

ロゴのモチーフをデザインに置き換える方法

ロゴのモチーフが決まったらそのモチーフをもとにロゴのデザインを検討していきます。いきなり画面上でロゴをデザインするのではなく、ノートなどにサムネイルを書き出していきます。サムネイルはロゴの簡単な下書きで自分がわかればいいレベルのラフスケッチです。

ロゴのサムネイル見本

サムネイルはこんな感じでOK。

サムネイルは自分がわかればいいレベルの下書きです。いくつも書き出すので、注釈などをつけておくと後で見返した時に分かりやすいと思います。

ロゴのアイデアのヒント

サムネイルは思いついたデザインをどんどん書きためていきますが、そもそも思いつかないという場合はこんな感じでアイデアを考えていくといいでしょう。

ロゴのアイデアに詰まったときの発想法

●同じモチーフの数を増やしてみる(1つの花を2つや3つにするような)
●モチーフの配置を入れ替えてみる(円の中に星から星の中に円のような)
●長くしたり短くしたりしてみる
●大きくしたり小さくしたりしてみる
●影をつけてみる
●二重のラインや三重のラインでデザインしてみる
●モチーフを生かしつつ他のものに変えてみる(花弁の部分をハートにしてみたり)
●形を変えてみる(丸い顔から四角い顔へというように)
●転線や波線など種類を変えてみる(円も点線や波線にするとイメージが変わるように)

このような感じでモチーフを当てはめてロゴのデザインを考えていきます。
いろいろ視点を変えていけばロゴデザインのアイデアは膨らんできますし、たくさんできたサムネイルを組み合わせてさらにオリジナリティのあるロゴのデザインに仕上げていくことができます。

アイデアが詰まった時に「自分用にアイデアのテンプレート」を作っておくのもいいと思います。

ロゴのアイデアについては以上になります。

この後はロゴのサムネイルを取捨選択し実際にデザインへ落とし込んでいく作業になります。

文鳥ロゴデザイナーのアバター

ロゴ デザイナー|タケハラ
ロゴ デザイナー歴20年以上(2003年より)、数千点以上のロゴを制作。
<ロゴ制作実績>映画翻訳家アンゼたかし氏、東京都子育て応援東京会議、留学生進路支援センター、マイナビ就活チャンネル、全国競馬労働組合、九州工業大学理数教育センター、京丹波町国際交流協会 他多数。その他のロゴ作品の一部を公開
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